ブレイブウェーブがビットサミットのスポンサーになる事を決めた時点では、まだそれがどういう意味を持つのか完全には理解できていなかった。結果的に私達は三つのライブショーを行い、ニューアルバム『In Flux』のサイン入りCDは百枚売れ、アーティストやアートへの情熱溢れる素晴らしいコミュニティと交流を持つことが出来た。お金には変えられない経験だ。しかし今回学んだ最も重要なことは、イベントに出資するということの意義だ。それは売上や露出の確保ではなく、メッセージを発信できることにある。新商品を宣伝したければ他に方法はごまんとあるが、イベントのスポンサーになることは、そのひとつではないのだ。

何かに出資するということは、それが何に対する出資であれ、メッセージを発信することになる。「私たちはこれを信じて支持するから、注目してほしい。」この認識は非常に重要だ。なぜなら日本のインディペンデント・シーンでは、このような信頼や支援が本当に必要とされているからだ。パブリック向けのイベントは、陰に隠れていた企業が公に出て「これが私達です。どうぞ見てください」と大声で主張するチャンスなのだ。

ビットサミットへの支援は、そのまま日本のインディペンデント・シーンへの支援になる。そしてそれはゲーム業界全体の力にもなる。このイベントが創り出した意識変革の波と、最も必要としていた人々に巡らせた愛とサポートの大きさは計り知れない。今から数年のうちに、日本ではこの新しいシーンが急成長し、当然のごとくトリプルA開発会社から注目をかっさらうことになるだろう。そしてその時私達は、このビットサミットを振り返り、このイベントが日本全国のアートへの情熱にエンジンをかけ、「アマチュアの趣味」と扱われ続けたものが世界に発信できるようになる変革の引き金となった事実を回想するのだろう。

ビットサミットが行くところ、私はどこまででも付いて行く。

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